世間亭節介さんとの思い出

本日の一ヶ月前、私たちに大きな不幸が起きました。東北大学学友会落語研究部の発展に多大な貢献をされた、偉大な先輩が亡くなられました。落語研究部に所属していた世間亭節介さんが、10月23日に下宿先の学生寮で突然倒れ、搬送先の病院で息を引き取れました。
 節介さんが亡くなったことは、東北大学の大学祭の期間中に大学院理学部数学科の研究室のご友人に教えていただきました。私が節介さんと直接お話ししたのは、9月末の東北大学学友会落語研究部第24回OB落語会が最後になってしまいました。その落語会では節介さんご自身も高座に上がり、すばらしい落語を披露されました。大学卒業後に一時期は体調を崩されたこともあったそうですが、その落語会や打ち上げではとても元気な姿を目にしていたので、突然の訃報にはただ驚くばかりで、にわかには信じられませんでした。
私が節介さんと初めてお会いしたのは一昨年の新歓期間、新入生歓迎のお花見に一年生として参加したときでした。節介さんは4つ上の先輩に当たり、普段の部活動の中では一緒に活動することはありませんでしたが、節介さんのことは先輩方からお話をよく伺っていました。
節介さんは落語がとても上手なだけではなく、部活動の多くの職務を全うしてそのマニュアルをも作成してくださいました。さらには文化部の常任委員も務め、現役の部員はもちろんのこと、OBさんや大学関係者からの信頼も厚い先輩でした。また、とても個性的な先輩であり、初めて会ったときには誰しも度胆を抜かれるだろうとのことでした。実際に節介さんと初めて会って話をしてみると、噂に聞いて予想していたよりも強烈な印象を受けました。節介さんの独特な喋り方はまるで落語の世界そのもので、小噺をしているかのようであり、さすが落研の伝説の部員だと思いました。他の部員の中にも節介さんに会って、その人柄や落語研究部の魅力にひかれた人が多いと思います。節介さんの大学生時代の落語研究部でのエピソードは面白く、「様々な苦労をしながらも得られたものも多く、所属していて楽しかった」と嬉しそうに話されていました。
私が入部したときには既に卒業されていたので、節介さんの落語を聞ける機会はそれほど多くはありませんでした。節介さんが一般のお客さんを前にした高座の上で落語をしているのを初めて見たのは、第23回OB落語会が初めてだったと思います。節介さんがそのときにかけたネタは「金明竹」でした。節介さんが披露した「金明竹」を間近で見て、その口跡の鮮やかさ、笑いの取り方、客席からの拍手も大きさに感動しました。節介さんの落語はいつ見ても楽しく、人情話で涙を流す部員もいるほど落語が上手でした。
その年の顔見世落語発表会では、私の一つ上の先輩が節介さんの落語に魅せられて覚えた「金明竹」をかけていました。卒業された後も普段から意識されるなど、節介さんの落語は部員たちの心に強く残っています。
二年生に進級した私は川内部長(代表)になり、部員の大幅な増加や活動規模の拡大などについて、節介さんに相談する機会が何回かありました。節介さんの助言は丁寧で分かりやすく、とても参考になり、助けられました。
また、打ち上げの三次会でよく利用するお店の常連客でもあり、今年に入ってからは今の川内部長やOBの方々としばしば集まっていたようです。いつも明るく、その周囲では笑顔が絶えず、卒業後も多くの部員から信頼される、偉大な先輩でした。
最後の高座となった第24回OB落語会で節介さんが披露したのは、一年生のときに初めて高座でかけたという「一目上がり」でした。大学院での勉強が忙しく、あまり練習できていなかったと本番前に話していましたが、会場のお客様も満足の高座だったと思います。節介さんの落語をもう生で見ることができないのが残念でなりません。
OB落語会の懇親会では明るく元気な姿を見せ、最近は体調も良くなっている気がしているとお話しされていたときから間もないことだったので、もう会うことができないという実感があまりわきませんでしたが、今この文章を書いていると悲しくなってきます。
節介さんが東北大学落語研究部に所属し、周囲の人々に落語やその人柄で笑顔を与えていたことを忘れず、節介さんとの思い出を大切にして頂ければ嬉しいです。節介さんのご冥福を心よりお祈りします。
東北大学学友会落語研究部 半澤和樹
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ご無沙汰しております。お会いしたことのない方ははじめまして。
東北学院大学落語研究会OBの豊包亭福楼(ほうほうてい ふくろう)です。
遅ればせながらですが只今、節介さんの訃報を知り、私も驚きと悲しみを隠せません。
生前、節介さんにお世話になった者の一人として一言添えたいと思い投稿致します。
節介さんと初めて出会ったのは私が大学1年生の頃でした。学院大落研の学外笑語寄席を見に来てくださっていて、初高座の後にご挨拶したのですが皆様もご存じの通りとてもインパクトの強い方で、恐らく初めて私が最初に出会った「根っからの落語好き」でした。
その後も学院大の落語会に足を運んでくださったり、八幡小学校の落語教室でご一緒させて頂いたりしましたが、落語のキャラクターがそのまま現実世界に飛び出してきたようで本当に愉快な方でした。
節介さんが大学院に進学された年に初めて学院大落研と東北大落研さんの合同寄席が開かれた時、私も節介さんも観客として来ておりました。お忙しいご生活をされていたようで少しやつれていらっしゃいましたが、私が「今度いろんな人集めて、一緒に落語会やりましょう!」という言葉をかけると「はい、ぜひやりましょう!」とあの甲高いよく通る声で、笑顔で答えてくださいました。それが果たせなかったのが残念で仕方ありません。

その落語会は私がいつかあちらに行った時の楽しみの一つにしておきます。
節介さんのご冥福をお祈りしております。

最後に、部外者の私が言うのもなんですが節介さんは東北大落研さんにとってとても誇れる方です。節介さんの志を継ぐものとして現役の皆様のご健勝をお祈りしております。
今、新潟大学の落研さん、東北大落研さんと我が学院大落研の合同寄席が企画中ですが、なかなか意見の折り合いがつかず難航していると聞きます。
それはそれぞれが真剣に落語をやっている証拠です。
ただ、異なる信念を持っているからこそ、各々の個性や強みを理解し合い、それを最大限活かすことを考えればきっと今までに無かったような面白いものができるでしょう。
節介さんがそうだったように「落語が好き」という気持ちが根底には皆様同じくあるはずです。
説教臭くなってしまって申し訳ございません。
私の後輩たちも至らぬ点が多々ありますが何卒よろしくお願い致します。

拙文失礼致しました。
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