2006年12月30日

あけましておめでとうございます。

 2006年12月30日はまさに最悪の一日であった。
 その日、私は高校時代の友人たちとともに忘年会を行っていた。最初に注文したのはもちろん中ナマ(生ビールの中ジョッキのこと。通はこう呼ぶ)である。運ばれてきた中ナマはさすがに大きかった。しかし私でもビールならコップ一杯ぐらいは飲める。コップ一杯とジョッキ一杯。同じ一杯なら問題なかろう、と思った。そうして私はビールを飲み始めた。この日に限ってビールがうまかった。

 この日に限って、ビールがうまかった。

 刺身、から揚げ、おでんなどに舌鼓を打ちつつ友人と談笑すること小一時間。少し眠くなった私は横になった。疲れが取れてむっくりと起き上がった瞬間、体の内側から何かおぞましいものがこみ上げてくるのを感じた。

 一瞬、世界が止まった。

 私は動物的な直感で危険を感じ取っていた。とっさに近くにあった皿を引っ掴んで、口の下に置いた。しかしこともあろうにその皿は、一番小さな醤油受けであった。
 口の中で爆発が起こった。巨大な流れが私のダムを決壊させ、一匹の竜となって暴れまわった。竜は滝へと姿を変え、怒涛の勢いでテーブルの上へと降り注いだ。気がつくとテーブルの上に、広大な湖が出来上がっていた。醤油受けは湖の底深くに沈んでしまっていた。
 私の友人たちはこの緊急事態に対して驚くほど俊敏な動きを見せた。友人たちの働きにより、湖は見る見るうちに干上がってしまった。その動きを私は尊敬と賞賛の目で眺めていた。人間の友情の尊さに、私は思わず涙した。トイレに行ったほうがいい、と友人に薦められた私はすっと立ち上がった。その時

 かつて私は地震を経験したことがある。その経験から学んだことは地震は第二波に気をつけなくてはならない、ということであった。最初の地震が過ぎ去り気が緩んでいるところにより大きな地震が押し寄せてくる、ということがよくある。それを警戒しないと非常に危険である。そして、この日もまた

 第二波が押し寄せてきた。先ほどと同じような手順を踏んだ後、テーブルの上に先ほどよりややスケールの大きい湖が出来上がっていた。トイレに行ってきたら、と友人がやや冷めた口調で言った。トイレに行ったとき、すでに体の中は青空のように澄み切っていた。
 空腹で死にそうになりながらも、生まれたばかりのような清清しさを感じていた。風呂に入って体を清め、清らかな心持で体重計に乗ってみた。
 58.6キロあった体重が、58ジャストになっていた。
ボッコ
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